マイクロソフト製品すらろくに触れなかった僕のIT業界転職記
まず言いたいこと
"未経験からエンジニアに転職!"系タイトルの記事、大体アフィリエイトか情報商材。あると思います。
安心してください。売りませんよ。
正真正銘、完全未経験からエンジニアにジョブチェンジして年収を3倍近くに上げた僕だからできるリアルな体験談を書きたいと思います。(元の年収が低すぎたということはさておき)
転職したのは数年前なので今となっては状況が変わっているかもしれませんが、参考にできそうな部分だけ参考にしてください。
本記事は一応現在社会人でエンジニア未経験転職を考えている方に向けて執筆していますが、そうでない方も読み物として楽しんでいただければ幸いです。
君はどんな人なのよ?
30代一般男性Web開発企業勤務エンジニアです。正社員で一応リーダー的なことをしています。
メガベンチャーやコンサルくらいの高給取りではないですが、まぁ奥さんと子供がいても困らないくらいはもらっています。
趣味が多すぎてどれも中途半端になっていることが最近の悩みです。
エンジニアになる前はどんな人だったのよ?
DかEランクくらいの大学で文系をエンジョイして就職、事務職してました。PC嫌いで業務ツール以外は全く触ってなかったです。WordやExcelも全然分からないので別の人にパスしてました。
給料は...まぁ低かったです。月給の手取りは15万切ってました。
事務職は男性が少ないという理由だけで業務量が他の社員の1.5倍くらいあるのに残業代も全然つかず、この頃は社会に絶望していましたね。
なんでエンジニアになったの?
まぁ前述した通り給料が少なかったからですわ。
事務職って本当に給料上がらないんです。転職を繰り返したり事務長まで昇格したり色々頑張ったんですけど、月給ベースで4万くらい上がって打ち止め。
長く付き合っていた彼女(現嫁)もいたので結婚も視野に入れ人生なんとかしないといかんなぁと思ってました。
そこで同年代の友人知人と比較し、どんな人が高い給料をもらえるのか冷静に観察してみたんです。
まぁほとんどは新卒就活勝者の大企業勤めでした。当たり前ですね。儲かっている会社の総合職や技術職です。大学生のみんなは真面目に就活しようね。
他にはめちゃくちゃ仕事ができる営業マン、激務戦士、医者や薬剤師などの医療系専門職などでしょうか。
どれも20代後半未経験から目指せるルートではなかったので絶望です。
しかし、これらの職種のいいとこ取りである"専門性を必要とされながらも経歴に関係なくチャンスが与えられていて努力次第では大きく給与があげられる需要がある職種"を探しました。
結果、行き着いたのがエンジニアでした。
正真正銘IT業界完全未経験、無謀な男の人生を賭けた勝負でした。
未経験転職どうだった?
地獄。
IT業界転職の常識を知らなかったので前もって勉強もしていませんし、ポートフォリオなんてあるわけないですし、資格なんてものがIT業界にあるとは思っていませんでした。
これまでの転職ではコミュニケーション能力など対人スキルを測られることがほとんどだったので特に対策しなくともなんとかなっていましたが、IT業界転職ではやれマクロが組めるかだのSQLは書けるかだのLinuxがどうのこうのなど知らない単語が山ほど出てきてろくに受け答えができませんでした。
某転職エージェントに登録しポテンシャル採用している企業全てに書類選考をかけてもらっていましたが、冗談抜きで100社くらい落ちました。メンタル壊れるかと思いました。
いよいよもう応募できる企業なくなるぞ!くらいの時にこんな僕を拾ってくれたのが某SES企業でした。
こうして僕のエンジニア人生が始まるかのように思われました...が?
初めてのIT企業、エンジニアってなんだろう。。。
初めて就職したIT企業、もちろん給与など待遇は良くなかったですが、なんとか手に入れたチャンス、絶対に無駄にはできないです。
就職できた会社では研修があり、本気で人生を変えたいと思っていた僕は誰よりも真剣に臨みました。
研修中のテストでも常に上位を取るように勉強していましたし、指定された資格は抜かりなく取得、研修担当からの評判も高かったと聞きました。
すでに活躍している先輩に必死にコミュニケーションをとりに行き、社内で開催されていた勉強会にも参加しました。
ここで少し話はそれますが、皆さん、SES企業とは何かご存じでしょうか。詳しい説明は省略しますが、要するに人材派遣会社です。企業によりますが基本的に正社員として元の企業に所属しつつ、人材を必要とする別の会社に勤務しに行くという業態です。
建前としては"エンジニアを派遣する会社"ですが、当然お客様は派遣社員にも実務経験やスキルが要求するわけで、初配属の現場では必ずしもエンジニアとして働けるとは限りません。
僕自身この実情をキャッチしており、そうならないために人一倍研修を頑張っていたのですが...
決定した派遣先は某企業のカスタマーサポートでした。担当ソフトウェアについてお客様から寄せられた問い合わせを専属技術者にエスカレーションする仕事です。
そうです、これって事務職と業務内容が似ているのです。蘇るトラウマ...。
配属先を決めてくださった営業さんには「とりあえずこの現場で2,3年経験を積んで...」と言われたのですが、年齢も年齢なのでそんな悠長な気持ちは持てません。
そこでとにかく資格を取りまくって営業にアピールし、エンジニアとして実務経験を積める現場に配属変更してもらえるよう交渉してみようと試みました。
初配属から約半年で自分でも自信を持って頑張ったと言えるくらいの資格は取得しましたが、担当営業の言い分は変わりませんでした。
僕は取った資格で再び転職活動することに決めます。とにかく30歳になるまでにはエンジニアとしてある程度の経歴を得ておきたかったのです。時間がない...
現在に至るまで
その後の転職活動では、ありがたいことに取得した資格を評価してくださる企業が多くこちらが選ぶ側になりました。
一番鍛えられそうな受託開発企業に身を置き1年半ほどの修行期間を経たのち、今の会社からのスカウトを受け転職、今のポジションに至ります。
初の実務は血反吐を吐くほど苦しいものでしたが、思い描いていた通り、30歳になった僕はエンジニアとして日々仕事を全うしています。
リモートワークでフルフレックス、給与も劇的に上がり事務職の頃の自分が想像もできなかった毎日を送っています。
結局言いたかったこと
2500字も費やした自分語りで結局何が言いたかったのかというと、(自業自得な面もあるけど)IT業界未経験転職とその後の業務はめちゃめちゃ辛いよってことと、人生変えるチャンスでもあるよってことです。
それから、とにかくスピード感が大切だということです。これはエンジニアに限った話ではありませんが実務経験が少ない人材の最終的な武器は年齢です。企業は人材のポテンシャルに期待しているので当たり前ですね。
よく"良いポートフォリオを作成して自社開発企業に転職すべし"みたいなことを言っている人を見かけますが、なんの経験もバックグラウンドもない人が良いポートフォリオを作成するなんて正直無謀だと思います。
また別の記事にしようと思いますが、最低限の勉強を済ませてとにかく未経験でも良いから雇ってくれる企業を探すべきです。オンラインサロンもスクールも正直必要ないと思っています。
配属ガチャなんて言葉がありますが、配属に外れる危険があったとしても最低限の職務経歴とコネクションは手に入ります。
活躍しているエンジニアとのつながりや勉強会への参加、IT業界の文化など独学では絶対得ることはできないのでさっさと業界に入りましょう。そこからどのように戦略的に立ち回れるかが未経験勢に残された道だと思っています。
以上、僕の未経験転職のリアルでした。十人十色の体験談があると思いますが、こんな絶望的な状況でもエンジニアになれた人がいたんだなと思っていただければ十分です。
お付き合いいただきありがとうございました。